Hallの結婚定理(2)
ようやく本題に入ります。次のステートメントの内容を証明します。
定理5(Hallの結婚定理) をとる。とし、を仮定し、がHall条件を満たすならば
(証明) に関する帰納法で示す。のときは自明。
のとき、次の二つの場合に分けて考える。
(1)臨界ブロックがない場合
を任意に1つ選んで、各からを除いて得られる集合をとおく。はHall条件を満たしかつ臨界ブロックが存在しないため、どの個を選んでもその個の集合の和集合の要素数は以上。ゆえにもHall条件を満たす。
となってこの場合では示された。
(2)臨界ブロック が存在する場合
以外の集合をとおく。である。
各に対してからの要素をすべて除いて得られる集合をとする。
とはHall条件を満たしている。
また、との個別代表系は互いに排反である。
したがって
ここでであり、のときであるから
となって、となる。
また、のときなので
したがってとなる。
ゆえに
同様にして
したがってであって、この場合でも示された。